いくら健康を保っていても、
やがて寿命を持つものは死を迎えます。
これは摂理なのだから受け入れるしかありません。
恋愛も然り。
誰もが恋心が最高潮に達したならば、
それを永続させられるという幻想を抱くものの、
実際は、盛り上がった感情はやがて、
程度の差はあれ、盛り下がるのです。
厳しいですが、これも摂理であるので仕方がありません。
いくつかの恋愛を経験し、
その非情なる法則から逃れることは
不可能だと悟った者は、やがて思います。
恋愛関係になってしまうから、破局が来るのだ。
始まりがあるから終わりが生まれる。
ならば、一番大切な人は恋人にしないでおこう。
そうすれば、知り合い、お友達のまま、
永遠に友好な関係を維持することが可能なはずだから。
大好きだから、敢えて恋人になるチャンスがあろうと、
ならないことを選択する。
これは摂理を逆手にとったベターでクレバーな方法です。
私も幾度もこのやり方を採用しようと試みました。
が、頭が悪いのでしょうか、結局は満足しきれず、
つい、恋人になろうとがんばって、なれたならば
最高の幸せを享受するものの、やがては摂理に従って、
破局へと歩みを進めてしまうのです。
恋愛に真摯に向かい合うほど、傷を負わねばならぬ
リスクが生じることを、嫌というくらいに学習しました。
だから、恋愛が終わったとき、いつだって誓いをたてるのです。
もう、恋なんてしないと。
それでも、気がつくと私は、摂理を知りながらも
好きな相手を独占したいという想いを抑えきれずに、
戻ることのできない恋愛への領域に
この身を溺れさせているのです。
我ながら、アホだと思います。
しかし、どれだけ同じ過ちや、苦痛を味わわせれようとも、
出逢いがあれば別れがあるという摂理に、
負けてしまいたくないのだと思うのです。
永遠を欲するが故、現状維持、前進を拒むのは、
臆病なだけではないのか。
私はそう自分に言い聞かせ、また前に進んでいくはずです。